柳井美加奈作品集(No.2 雪の断章)
1.雪の断章(柳井美加奈作曲) SoundPreview
柳井 美加奈
三弦 金津 千恵子
十七弦 横山 喜美子
第一楽章 ふと降り始めた雪は、たちまち大地を白一色にする。
降りしきる雪の空間を見るということもなくながめていると、
遠く広い世界が記憶のないはずの脳裡に蘇ってくる。
十七絃と三絃の語り合い、せめぎ合いが、緊張感を漲らせている。
しだいに覚醒する視界に、絶え間なく雪が降り続いている
第二楽章  雪に覆われた山里が月光に照らし出され陰影を、くっきりと浮かべている。
静寂の中で、川面が美しく光り、
大地が奏でる命あるものの気配を漂わせている。
第三楽章  昼の太陽の積もった雪にさす、光のまぶしさ、雪のまぶしさ。
雪の原野に向かって、かけ出して行きたいような気持ちを、
箏のリズミカルな旋律で歌っている。
中間部には、雪国の憂鬱さを、箏のトレモロで挿入している。
2.春のソネット(柳井美加奈作曲) SoundPreview
第一筝 柳井 美加奈
第二筝 金津 千恵子
印象的な前奏の後、作曲者独得の春の明るさと不安への予感が交錯して、
不思議な世界をかもしだしている。
3.レクイエム(柳井美加奈作曲) SoundPreview
柳井 美加奈
尺 八 山口 五郎
哀傷」それぞれが、大きな悲しみを抱いて、呼びかけ合い、慰め合うとき時として
二つの心が高く高揚し、響き合い、又、静まりゆく。尺八と箏の、旋律の流れと交錯が美しい