柳井美加奈作品集(No.1 桜変容)
1.夕暮れ(柳井美加奈作曲) SoundPreview
柳井 美加奈
十七弦 横山 喜美子
尺八 田辺 頌山
ベース 吉野 浩志

琴古流尺八本曲「夕暮れ」による印象から作曲されたものである。
 1995年(H5)野分けの会初演、同年六月、仏ストラスブールでのコンサートでは、
「日本的でありながら日本を越えた音楽的感激に胸が熱くなった。」と絶賛された。
 作曲者が太古の趣のある早春の屈斜路湖を訪ねた折り、尺八本曲
「夕暮れ」が心に浮かんだ。さらに、十七絃が湖そのものの深さを奏で、
箏は夕日に輝く湖面のさざ波、尺八は空のかなたに飛び去っていく鳥、
あるいは、神々しい夕映えなどとなって、作曲者の耳に響いてきた、と聞く。
2.湖上の月(柳井美加奈作曲) SoundPreview
柳井 美加奈
十七弦 星島 真裕子
尺八 田辺 頌山
ベース 吉野 浩志
湖に移る月その心理風景を作曲者独得の透明感ある作品に
している。冴え渡る天空に歌う箏の三連符が懐かしい。
3.桜変容(柳井美加奈作曲) SoundPreview
第一筝 柳井 美加奈
第ニ筝 横山 喜美子
十七弦 星島 真裕子
尺八 田辺 頌山
ベース 吉野 浩志
第一楽章 色づいて、いまほころびかける花の蕾を連想して作曲された。
 淡々と始まる挿入部に自然に誘い込まれていくと、
さくらのテーマが箏、尺八へと展開する。フレーズ語尾についた
短いグリッサンドがいっそう愛らしさを添えている。
第二楽章 黄昏どき、蒼い空に浮かび上がる薄黒の桜の姿を、
尺八が朗々と奏でる。箏と十七絃が、思いがけぬ表情を
演出している。
第三楽章 風に吹かれて、止めど無く散り急ぐ花吹雪である。
縦横みじんに散りかう様は、さながら絢爛豪華な舞い踊りを見るようである。
解説 守山 偕子